三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

プロローグ―語学と無縁の人間がなぜトルコに行くことになってしまったのか【トルコ滞在記】

 7月中旬から8月中旬までの約1か月間、トルコに行ってきた。旅行なんかではなく、トルコ大使館文化部の「ユヌス・エムレ インスティテュート(Yunus Emre Enstitüsü)」という財団法人が主催するサマースクールがあって、それに参加したのだった。これは留学と言っていいのだろうか。それはさておき、そもそも自分は法学部である。語学とは無縁の学部学科にいる自分がなぜトルコに行くことになってしまったのか―。

 遡ること約1年半前、大学の講義をサボろうと図書館に向かう途中、目の前に語学マニアの友人が現れ、トルコ語の授業を受けてみないかという誘いを受けた。すべての始まりはここである。はじめは全く乗り気ではなかったものの、とりあえず受けてみようかという感じで行ってみることにした。教室には愉快なトルコ人の先生が首を伸ばして待っていた。教室には先生の他には誰もいない。どうやらトルコ語を受けている人は友人1人のようだ(自分もそこに行くまでトルコ語の存在すら知らなかったから無理もないと思う)。関西仕込みという彼の講義はとても面白かった。一瞬にしてトルコに興味を持ってしまった。結局そのまま、同時限の他の講義を辞めて、トルコ語を受講することにした。

 講義を受けている中で、トルコ語をそれなりに勉強すれば、サマースクールへの推薦ができるという話があった。しかもサマースクールの費用はすべてトルコ側が負担してくれるらしい。これは行くしかない、そう決めた法学部生は、サマースクールに向けて本腰を入れ始めた(とはいえ意気込みだけである…)。

 今年の5月頃になってから正式に参加が決定したとの知らせを受け、いよいよサマースクールという夢のような言葉が現実味を帯びてくる。同時に各種手続きの嵐が押し寄せてきた。しかもユヌス・エムレ インスティテュート東京支所のあっせんではなく、現地とのやり取りときたもんだ。英語に疎い人間としてはやや堪えた。いやはや、タダで行かせてもらえる身として堪えるだの面倒だの、そんなことを言っている場合ではない。とにもかくにも無事に手続きは終了し、いよいよ出発の時を迎える。そのときふとこんなことを考えた。あのときに自分が講義をサボり、友人が声をかけてくれていなかったら今回のサマースクールはなかったと―。人生ほんとに何が起こるかわからないもんだなぁ。

 

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