三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

新木場サンセット 2018 1日目 THE COLLECTORS ライブレポート

 『新木場サンセット 2018』のトップバッターを務めたのはコレクターズだった。昨年デビュー30周年を迎え、貫禄という名の更なるパワーを付けて、新木場COASTのステージに今年もやってきた。

 この日の加藤ひさし(Vo.)は、カラフルなモッズスーツ姿ではなく、全身銀色の宇宙服のような恰好で登場する。爆音とともに始まった一曲目は「MILLION CROSSROADS ROCK」。どこか異星から舞い降りた宇宙人のような加藤のたたずまいによって、会場は一気にコレクターズ色に染められた。続けて披露されたのは、「ミノホドシラズ」。この日の加藤の格好から、歌詞にある〈宇宙飛行士になって 火星に家たて彼女と住むんだ〉という部分のSF感が異様に増されているように思えた。

 「この辺でスピッツの曲歌ってもいいですか。みんなの方が上手く歌えるでしょ。ヤバいと思ったら…分かるよね」と、謙遜に重ねた謙遜をしながら、スピッツのカバー曲の「ドルフィン・ラブ」が披露される。歌詞の上を滑るかのように歌う草野マサムネに対して、歌詞を噛み締める様に熱唱する加藤の歌い方は、スピッツの曲とはまた別の良さが出ていた。草野のラジオ番組でコレクターズ特集を行ったときも、彼らの音楽性には少なからずも親和性があるように思えたが、今回のカバーでそれが確信的なものになった。

 「25歳のヘンリエッタへ」は、CD音源以上に熱量を感じられる歌いっぷりで、その歌声はいまだなお健在であることを証明していた。そして、最新アルバム「Roll Up The Collectors」(2016)から「悪の天使と正義の悪魔」が披露される。続いて、「こうやって見渡しても、宇宙戦艦ヤマトみたいな格好の人いないね。普通な格好の方が良かったかなと思いながら、光ってるんですけど」と、自身の本日の格好にセルフでツッコミを入れつつ披露されたのは、同じく最新アルバムから「希望の舟」、そして「ノビシロマックス」だった。

 スピッツ以上の貫禄と、若々しさを兼ね備えたステージパフォーマンスはトップバッターに相応しいものとなった。わずか7曲、しかも有名曲というよりは最新曲中心のセットリストではあったが、会場にはしばらくコレクターズの残した強烈な余韻が漂っていたのだった。【ほぼ日刊三浦レコード62】 

 

セットリスト

1. MILLION CROSSROADS ROCK
2. ミノホドシラズ
3. ドルフィン・ラヴ(スピッツカバー)
4. 25歳のヘンリエッタ
5. 悪の天使と正義の悪魔
6. 希望の舟
7. ノビシロマックス

f:id:xxxtomo1128xxx:20180912171728p:plain